2012年2月12日

エリザベス

カボチャに包丁を入れる時、私には思い出すエピソードがあります。

今から10年前、ワーキングホリデーで訪れたオーストラリア。
基本的には、グレハンと呼ばれていた長距離バスで町から町を移動していたのですが、パースという町からアデレードという町までは、インディアン・パシフィックという寝台列車を使いました。
そしてアデレードに着き、バックパッカーズとよばれる安い宿で、「メルボルンまでガソリン代をシェアして一緒に行く人」を募集している人に出会いました。

彼は、オーストラリアで安い中古のフォルクスワーゲンのワンボックスカーを購入し、ガソリン代をシェアして、一緒にオーストラリア国内を旅する人を募っていたのです。

そして、私を含め3人の同乗者が見つかり、ドライバーの彼を含め4人でアデレードからメルボルンまで旅をしました。
メルボルンに着くと、次はメルボルンの南にあるタスマニア島という島を一緒に旅するメンバーを募集しました。そして新しい仲間が加わり、一行はタスマニア島へ。

タスマニア島の旅を終え、メルボルンで別れた面々は、その後もメルボルンの街が気に入り、それぞれの見つけたバックパッカーズに泊まっていました。
時にはちょっぴり喧嘩し、時には困難にぶつかり、信じられないほどきれいな景色の数々を見て、1周の予定がトラブルもありタスマニア島を1周半もしたらさすがにちょっと意気投合したのか、その後も時々なんとなく集まって、メルボルンのあちこちへ一緒に出かけました。

ある時、私がバックパッカーズでくつろいでいると、その彼らがやってきました。
「ちえちゃーーーん!これで料理作って~」と、めちゃくちゃデカいカボチャを持って。

なんでも、メルボルンのエリザベスストリートというストリートに、大きなカボチャが落ちていたらしく(近くにマーケットがあったので、おこぼれかも?)、彼らはそのカボチャに「エリザベス」という名前をつけていました。

「エリザベス」の他に、スーパーで買ったという鶏肉も提げていて、鶏肉を甘辛く煮てほしいというリクエストがありました。

当時、そんなに料理の得意でなかった私は、とりあえず砂糖と醤油でなんとかしようと試み、あんまり彼らが期待した一品にはならなかったことを、うっすら覚えています。

「エリザベス」は、どう料理したのか覚えていませんが、とても立派なカボチャで、道に落ちたショックからか、パックリ割れていました。

ちなみに、メンバーが入れ替わり立ち替わりしながら、アデレードからメルボルン、タスマニア島をそのワンボックスカーで旅をし、ドライバーの彼とはその後シドニーで偶然再会し、シドニーを出る時に別れたのが最後です。

今夜私はカボチャを料理したので、「エリザベス」のことを思い出したというお話でした。



4 件のコメント:

  1. アキです。
    ステキなお話が続くね〜。
    良い思い出がいっぱい詰まってると、人は生きていけるんだよねーと、うちの母がよく言います。
    エリザベス、ってまたすごい名前だよね(笑)。

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    1. *アキちゃん

      ありがとう!
      嵐のような人生の、これも一部だけど(笑)、楽しかったなあ。しみじみと。

      カボチャに名前をつけたことを知ったら、女王がムッとするかもしれないね(笑)

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  2. すご~い。
    海外で、そんな体験してるなんて、尊敬です。
    かぼちゃのエリザベス。
    野菜に名前をつけちゃうところがスゴイですね。
    私は、かぼちゃ料理食べるの大好きです。
    薄切りを電子レンジでチンしてマヨネーズ
    または、ピザチーズかけ。
    高野豆腐とシメジと一緒に煮ても
    鍋で煮た後、鶏肉ミンチのあんをとろ~りかけても
    おいしいです。
    あ!パンプキンパイは、まだ実現してないけど
    一度は作ってみたい一品です。
    byダル

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    1. *ダルしゃん

      んま~!ありがと!

      ちなみに今日は近所のスーパーで、鹿児島産のエリザベスが安売りしてました(笑)

      ダルしゃんのレシピ、作ってみたい~。
      いつもアイディアをチラリと紹介してくれて嬉しいです✧

      パンプキンパイ、名前だけでそそられる!
      こんな時間にお腹が空いてきました。
      いかんいかん、おとなしく眠ることにします。
      おやすみなさい。

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